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英国幻想文学賞

すこしまえですが、受賞作が発表されたので、小説部門のみ引用しておきます。

Best Novel (The August Derleth Fantasy Award):

One, Conrad Williams (Virgin)
Best Served Cold, Joe Abercrombie (Gollancz)
The Naming of the Beasts, Mike Carey (Orbit)
Under the Dome, Stephen King (Hodder & Stoughton)
Futile Flame, Sam Stone (House of Murky Depths)

Best Novella:

The Language of Dying, Sarah Pinborough (PS)
The Witnesses are Gone, Joel Lane (PS)
“Roadkill”, Rob Shearman (Roadkill/Siren Beat and Love Songs for the Shy and Cynical)
Vardoger, Stephen Volk (Gray Friar)
Old Man Scratch, Rio Youers (PS)

Best Short Story:

What Happens When You Wake up in the Night, Michael Marshall Smith (Nightjar)
“My Brother’s Keeper”, Nina Allan (Black Static #12)
“Careful What You Wish for”, Justin Carroll (Dragontales: Short Stories of Flame, Tooth and Scale)
“The Confessor’s Tale”, Sarah Pinborough (Hellbound Hearts)
“George Clooney’s Moustache”, Rob Shearman (The BFS Yearbook 2009)

Best Anthology:

The Mammoth Book of Best New Horror 20, Stephen Jones, ed. (Constable & Robinson)
Cern Zoo: Nemonymous 9, D.F. Lewis, ed. (Megazanthus)
Songs of the Dying Earth: Stories in Honour of Jack Vance, George R.R. Martin & Gardner Dozois, ed. (HarperVoyager)
Hellbound Hearts, Marie O’Regan & Paul Kane (Pocket)
Dragontales: Short Stories of Flame, Tooth and Scale, Holly Stacey, ed. (Wyvern)

Best Collection:

Love Songs for the Shy and Cynical, Robert Shearman (Big Finish)
Once & Future Cities, Allen Ashley (Eibonvale)
Just Behind You, Ramsey Campbell (PS)
The Terrible Changes, Joel Lane (Ex Occidente)
Cyberabad Days, Ian McDonald (Gollancz)

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『ゾーイの物語』の誤植

申し訳ありません。またやってしまいました。

史上最速レベルで編集部に届いた読者からのメールで、登場人物の名前が一カ所、別人の名前になっていることが判明しました。

253ページの3行目、ゾーイの台詞です。

 「あれがグレッチェンとマグディだけの問題なら、エンゾが出ていったとき~」

正しくはこうです。

 「あれがグレッチェンとマグディだけの問題なら、マグディが出ていったとき~」

お手数ですが脳内変換をおねがいします。
増刷の機会がありましたら修正したいと思います。うう。

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『アンランダン』書店用ちらし(詳細)

ちらしだけに掲載された原作者と訳者のコメントを載せておきます。


★ミエヴィル・コメント(インタビューより)

「ファンタジイ小説を書くとき、ぼくがたいして苦労もせずに思いつくのは、グロテスクなものとか、ふしぎなものとか、モンスターたちだ。なにしろ、そういう奇怪な存在こそが、ぼくをこのジャンルに引っぱりこんだいちばんの要素だからね。それ以外の、ストーリーとか登場人物とかいったものについては、やっぱり苦労してつくりあげなければいけないけど、奇怪なものはすごく簡単にできあがる。
 むしろ問題は、ぼくがモンスターをもっと出したいというだけの理由で創造してしまった連中のことだ。どんなにそいつを気に入っていても、物語の流れに関係がなかったら、ほかの作品のためにとっておくしかない。『アンランダン』でうれしかったのは、ほかの本では使えなかったモンスターたちに出番をあたえられたことだ。
 たとえば、ほんのちょっとだけ出てくる頭がインク瓶になってるやつ。いくらファンタジイ小説がなんでもありの世界だとはいっても、さすがに理屈に合わないと思われてしまう。SF小説でもむりだろう。この本でああいうへんな連中について書くことができたのは最高に楽しかったよ!
 最近になって、五歳のときに描いたスケッチを見つけたんだけど、そのモンスターたちがいま描いているのとほとんど同じだったのにはちょっとおどろいたね。根っこのところはなにも変わっていないらしい。『アンランダン』に登場するバケツ忍者だって、ぼくが十歳のときに思いついたやつだ。四半世紀たってようやく、こうして本のなかで活躍させることができたというわけさ」


★翻訳者・コメント

「いちばんの読みどころは、やはり、つぎつぎと登場する異世界の奇怪なキャラクターでしょう。本をぱらぱらっとめくって作者自筆のみごとなイラストを見てください。こどもの悪夢に出てきそうな、へんてこりんな連中のオンパレード。特に気に入ってるのは、頭が鳥カゴ(小鳥入り!)になっているヨリックとか、いつも潜水服を着ているムレルあたりですね。物語の終盤にムレルの真の姿があきらかになったときには、ほんとうにおどろかされました。
 翻訳者から見てなにがすばらしいかといえば、作者の”ことば”に対するこだわりですね。おかげで翻訳は楽しくも苦しい作業になりました。どうやって日本語にすればいいのかぼうぜんとしてしまうような、だじゃれやことば遊びがぞろぞろ出てきます。中盤で登場するおしゃべり大王は、口にすることばがどんどん異様な姿の生き物になるというとんでもないやつでした。よく”ことばに命を吹きこむ”とかいいますが、ほんとうに命をあたえてしまっているわけです。その音像子(おんぞうし)たち――この訳語にも苦労しました――は、魔法使いとの闘いで思いがけないかたちで活躍することになるんですが、それは読んでのお楽しみです。
 ひょんなことから異世界にまぎれこむ少女に、ことば遊びとくれば、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』を思い浮かべる人が多いんじゃないかと思います。でも、舞台となる裏ロンドンの雑然としたエネルギッシュな雰囲気は、むしろ宮崎駿監督の〈千と千尋の神隠し〉のほうがイメージ的に近いかもしれません。とにかく、訳していてこんなに楽しかった本はひさしぶりでした」

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『アンランダン』書店用ちらし

めったにないことなので、書店さんに配布された『アンランダン』販促用のちらしを紹介しておきます。

四つ折りのちらしの、まずは表紙とその裏面。
簡単なあらすじ紹介が載っています。

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つづいて、著者の紹介と、著者および訳者のコメント。
このふたつはここでしか読めませんので、別エントリできちんと紹介します。

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最後に、もっとも重要なキャラクター紹介。
ながめていると、翻訳でいろいろ苦労したことが思いだされます。

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なお、このカラー版というのもあります。掲げているのは担当の編集者さん。
書店用ポスターなので、わたしも持っていません。残念。

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『ゾーイの物語 老人と宇宙4』

みなさんお待ちかねの〈老人と宇宙〉シリーズの新刊です。
amazonで予約可能になっていましたので紹介しておきます。

特筆すべきは、前嶋重機さんの手になるこの表紙。
最高です。まさにゾーイです。

ゾーイの物語 老人と宇宙4
「ゾーイの物語 老人と宇宙4」
 著者:ジョン・スコルジー
 出版:早川書房
 発売日:2010-09-25

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『碧空の城砦2』『碧空の城砦3』

中原尚哉さんからのいただきもの。

スティーヴン・エリクスンの大河ドラマの続きです。これで第一部完結。
こういう地図のある長い物語は楽しいですね。
第二部も12月から刊行スタートとか。

碧空の城砦2 (マラザン斃れし者の書)
「碧空の城砦2 (マラザン斃れし者の書)」
 著者:スティーヴン・エリクスン
 出版:早川書房
 発売日:2010-08-10
碧空の城砦〈3〉―マラザン斃れし者の書〈1〉 (ハヤカワ文庫FT)
「碧空の城砦〈3〉―マラザン斃れし者の書〈1〉 (ハヤカワ文庫FT)」
 著者:スティーヴン エリクスン
 出版:早川書房
 発売日:2010-09-10

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『天空のリング』ポール・メルコ

金子浩さんからのいただきものです。
新鋭作家ポール・メルコのデビュー作。ローカス賞の第一長篇部門を受賞。

天空のリング (ハヤカワ文庫SF)
「天空のリング (ハヤカワ文庫SF)」
 著者:ポール メルコ
 出版:早川書房
 発売日:2010-08-10

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『アンランダン』週刊文春

ただいま発売中の週刊文春(9月16日号)の〈文春図書館〉。
ミエヴィルの『アンランダン』が「今週の必読」としてトップに取りあげられています。
評者は作家の遠藤徹さん。

「ミエヴィルの作品もまた、ファンタジーを装いながら、それを内側から崩すことを試みていると感じたから……そして、その定石からの外れ方が、読者にとっては驚きともなり、快楽ともなる」

「それから、超現実的な言語の使い方。なんと、この物語では、言葉そのものが物質性、いや生命をすら獲得するのだから……たとえば音像子(おんぞうし)という言葉がどうにも気になるというあなたなら、その正体を知るためだけにでも読む価値は十分にある」

いろいろな読み方のできる本ではありますが、翻訳者としてまさにそこを読んでよ、というところをあまりにも的確に絶賛されているので、感動すらおぼえます。翻訳やっていてよかった。


アンランダン 上 ザナと傘飛び男の大冒険
「アンランダン 上 ザナと傘飛び男の大冒険」
 著者:チャイナ・ミエヴィル
 出版:河出書房新社
 発売日:2010-08-17
アンランダン 下 ディーバとさかさま銃の大逆襲
「アンランダン 下 ディーバとさかさま銃の大逆襲」
 著者:チャイナ・ミエヴィル
 出版:河出書房新社
 発売日:2010-08-17

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ヒューゴー賞発表

本年度のヒューゴー賞が発表されましたので、LOCUSのサイトから引用

ソウヤーもスコルジーもだめでしたが、長篇部門でミエヴィルが受賞。
しかもバチガルピとの同時受賞とのことでびっくり。あの集計システムで同票というのは、ほとんど奇跡? 早川書房は万々歳でしょう。

よく見たらドラマ短篇部門でフラッシュフォワードも候補に...

BEST NOVEL (TIE)

★The City & The City, China Miéville (Del Rey; Macmillan UK)
★The Windup Girl, Paolo Bacigalupi (Night Shade)
Boneshaker, Cherie Priest (Tor)
Julian Comstock: A Story of 22nd-Century America, Robert Charles Wilson (Tor)
Palimpsest, Catherynne M. Valente (Bantam Spectra)
Wake, Robert J. Sawyer (Analog 11/08-3/09; Ace; Gollancz)

BEST NOVELLA

★“Palimpsest”, Charles Stross (Wireless)
“Act One”, Nancy Kress (Asimov’s 3/09)
The God Engines, John Scalzi (Subterranean)
Shambling Towards Hiroshima, James Morrow (Tachyon)
“Vishnu at the Cat Circus”, Ian McDonald (Cyberabad Days)
The Women of Nell Gwynne’s, Kage Baker (Subterranean)

BEST NOVELETTE

★“The Island”, Peter Watts (The New Space Opera 2)
“Eros, Philia, Agape”, Rachel Swirsky (Tor.com 3/09)
“It Takes Two”, Nicola Griffith (Eclipse Three)
“One of Our Bastards is Missing”, Paul Cornell (The Solaris Book of New Science Fiction: Volume Three)
“Overtime”, Charles Stross (Tor.com 12/09)
“Sinner, Baker, Fabulist, Priest; Red Mask, Black Mask, Gentleman, Beast”, Eugie Foster (Interzone 2/09)

BEST SHORT STORY

★“Bridesicle”, Will McIntosh (Asimov’s 1/09)
“The Bride of Frankenstein”, Mike Resnick (Asimov’s 12/09)
“The Moment”, Lawrence M. Schoen (Footprints)
“Non-Zero Probabilities”, N.K. Jemisin (Clarkesworld 9/09)
“Spar”, Kij Johnson (Clarkesworld 10/09)

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